宝箱
昨日、病院へ行ってきた。
主治医先生から、先週受けた検査の結果を伺うために。
双子座は宝箱の授受。手渡す葛篭、受けとる葛篭。
と、石井さんの今日の占いにあった。
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「気持ちのやりとり」のことだろうか、とぴんときた。
だとすれば、宝箱のほこりを払って、蓋を開けておこう、と思った。
ほこりは取れているかもしれない。前日に髪をかなり切ったから。
ぐるぐるしていたネガティブな感情を、ばっさり落とした髪と一緒に置いてきた。
蓋を開けて、箱の中に、冬の朝のきりっとした風を送り込む。
宝箱はたぶん、心そのものだ。
ひとつ、心に決めたことがあった。
「こうしてほしい」という望みは全部手放すこと。
そのかわり、もし目の前のひとがなにかを望んでいたら、
望みを拒むことなく受け取ること。
思えばこれまで私がしてきたことは、
受け取ってほしいものを宝箱にたずさえて
「受け取ってください!」と突き出していた、ということのように思う。
目の前のひとが喜ぶかどうかは関係なかった。
というより、
「大事にたずさえてきたものなんだから、うれしいにきまってるでしょ?」
というところだったかもしれない。
自分がうれしいことは、他人も喜ぶと信じて疑っていなかった。
改めて考えると、ずいぶん乱暴な話だ。
今日からは、宝箱の蓋を開けておこう。
そこに、目の前のひとが入れたいものを入れてもらおう。
入れてくれるものは、きっと、そのひとが大事にたずさえてきたものだから。
かつての私がしてきたように。
そんなわけで、私から手渡す宝箱は、からっぽだった。
先生に、入れたいものを入れていただこうという思いがあった。
先生はほほえんで、たくさんのものを入れてくださった。
それらはみんなきらきらしていて、あたたかくて、
やわらかく宝箱を満たしてくれた。
葛でつくった篭は、とても丈夫で、100年以上もつらしい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%91%9B%E7%B1%A0
ずっと、一緒にいられる。
何度でも取り出して、いつくしんでいこうと心から思った。